エロゲ「キラ☆キラ」 全ルート感想

エロゲの話です。瀬戸口廉也氏の「キラ☆キラ」です。ネタバレありです。

クリスマスに2万近くするエロゲを買いまして、それをじっくりプレイするためにも「キラ☆キラ」は結構集中してやりました。ルートもたくさんはなかったし。

ただ、思ったより長めでした。あー、キャラによって結構展開違うんだーと感じました。

ちなみに攻略推奨は、千絵姉→カッシー→きらりバッド(鹿之助ルートとも呼ばれるらしい)→きらりトゥルーらしいです。

 

じゃあ、一人ずついきます。

 

☆カッシールート

生粋のお嬢さま。身体が弱い。ギター担当で、携帯電話を車から投げ捨てちゃうパンクな一面あり。

彼女はねー、なんか大学時代に知り合いにちょっと似てたんでその子のこと思い出しました。裕福で、家が厳しくて、見た目はすごくか細いんだけど自分が決めたことは絶対譲らないみたいなところが現実にもいるいるって感じでよかったです。

こういうお金持ちキャラクターって、物語だと便利屋さんになりがちなんですが、カッシーはあんまりそういうこともないのがよかったと思います。きらりに何か施したりすることももちろんなく。

お父さんの話は結構衝撃もありましたが、叔父さんの力添えで沖縄行くのはよかったですねー。斉木さんも良い味出してた。

なんか最後にトイレでセックスしたのが妙に心に残っています。バンドの服でトイレでって学生っぽいというか。いや、そんな経験ありませんけどね…。

 

☆きらりルート

頭が良くボーカルの才能があるが、お家にお金がない。明るくて元気な子。ボーカル担当。おいしいものが大好き。バイトで失敗が多いと言ってたけど、彼女の場合頭の良さでいろんなことをカバーしてるっぽいので、動作性の部分に何かあるんじゃないかな。短期記憶が苦手とか?たぶんゆっくり教えてもらって安心できる環境ならめちゃくちゃ力を発揮する人なんだと思います。

 

きらりバッドのほうはけっこうびっくりしました。え、悲しいじゃん、なんだこれ、おい、夢?いや、こっちが現実だよな?って鹿之助に完全にシンクロしました。

不幸の起こり方がリアルというか、家族によってもたらされるものに彼女はいつも振り回されている。そして決して奇跡なんてない。

別名「鹿之助ルート」と呼ばれるこのルートは、結構人気が高いようです。

私も学生時代バンドの真似ごとみたいなことをやっていたけど、たぶん彼らほどには思い入れというか、必死さはなくて、鹿之助はかなり必死にやっているなーと見ていて思いました。「頑張っている」じゃなくて、「必死」なんです。

第二文芸部の4人のなかで一番バンド活動がなくなったら困る人って誰かなって考えてみたんですがまあ間違いなく鹿之助だと思います。

千絵姉は目指している職業があるし、カッシーもたぶんバンドを大切な思い出にしているだろうけどそこにしがみつくみたいなのはないだろうし、きらりはバンド以外の部分でも過度に思い入れをしないように(もちろん無意識に)してるんじゃないかなと感じました。だって傷つくのはつらいから。もちろん楽しいこと提案したり、積極的に参加したりはするけど、ひとつの場所にとどまりすぎないようにしているんじゃないかな。だからこその「別れよう」発言だと思います。自分の家の存在っていうものが常に彼女を覆っていて、人との付き合い方、生活の仕方、笑い方まで制限させている気がする。

で、鹿之助。君はあのバンドがないとだめだ!あのバンドに出会っていなかったら君はどんな人間になっていたというのだ!必死になることもなく、なんとなくでいろんなことをやり過ごしていたんじゃないのか!え!?きらりと出会えたことで、気持ちを真っ直ぐに表現するのも悪くないなって思えたんじゃないかな。

というわけで、第二文芸部に一番命を賭けていたのは鹿之助なんじゃないでしょうか。

 

きらりトゥルーは、バッドの衝撃が大きすぎて実はあんまり入ってこなかった…。

ただ、父親に関することはすげーなーと思いながら見てました。考えたらみんな父親に関してひと悶着あるんだよね。カッシーはお父さん亡くなってるし、千絵姉は父親のせいで家庭崩壊、きらりも同じく、鹿之助は血のつながりのある父親と現在の父の間で揺れている。

きらりはね…随所でなんか大きなこというじゃないですか…カレーの話とか、貧乏の話とか、世界の話、幸せの話…。しかも鹿之助のこと大好きなのがめちゃくちゃ伝わってくるのに、鹿之助が他の人と付き合ったり結婚したりしても笑顔で祝福すると思うんです(それは千絵姉とカッシーにも言えるけど)。それが見ていてつらいなーと思うときもありました。

きらり、かなり濃いキャラでした。

 

☆千絵姉

はい!!!!!!!きました!!!!!!!一番好き!!!!!!!!

声もたまらない、考え方も超同意、ドラム担当、同学年だが留年しているため1個年上の幼なじみ、泣きぼくろ…かなりツボでした。ギタリストのおっちゃんといい感じになったときはどうなることかと思ったぜ…。

千絵姉はプレイしてる間に5回以上泣いちゃいました。というのも私の家が離婚家庭なので共感してしまったのです。千絵姉の「じゃあなんで結婚するのか、男女ってなんなのか、人の気持ちって変わるからこわいよ」みたいなたびたび投げかけられる疑問に共感して…千絵姉を抱きしめたくなりました、本当に。初エッチのときも本当に緊張したし、なんか千絵姉って本当によくできている人で、年上でしっかりしているんだけど自分に自信がなくて臆病で、セックスのときもこう、気を遣ってくれるんですよね。そこがもう私としてはたまらないというか…自分の嗜虐心との戦いですよ…。千絵姉サイコーでした。本当にありがとうございました。

あと本当に声が好き。

千絵姉ルートに出てきた翠ちゃんがすごく印象的で、「あ、私もこれ考えたことある…」ということを言ってたので書き残しておきます。

「どんなに毎日が生き辛いか、苦しいかって、心の中にあるだけで、だれにもわからないことじゃないですかあ。鏡を見たら健康そうな私が映ってるし、世間的に見たら貧乏ってわけでもないし、美味しいものだって食べられるし、旅行だって出来るし、こんなにツラいのに、外からだともしかしたら幸せに見えてるのかもしれない! そう思うと、本当に悔しいですよねえ

そういうとき、傷を付けて、血みどろでボロボロになった自分の腕を見ると、ちょっとだけ心が落ち着くんですよねえ。自分の感じてるものと、実際の姿が少し近づいたような、ギャップが少し埋まったような、そういう安心感があるんです。わかりますかあ?

だから、もし、身体のどこかにメーターがあって、その人の気持ちの苦しさとか楽しさを正確に表示出来てたら、きっと、私はこういうことしなかっただろうなあって思います。メーターを見せれば済むことですからぁ」

メーターの部分、すごくわかる…。

「キラ☆キラ」には「私も同じこと考えたことある…」ってセリフや思想がけっこう出てきて、それも良かったところのひとつです。

 

☆村上、殿谷

村上はエロゲの単なる友達キャラとは一線を画していて、めちゃくちゃ良いやつだし、良いこともいうキャラでした。「俺にもこんな友達がいたら…」と思ってる人、いるんじゃないかな。スェンダー!!

殿谷はすごく好きでした。あのひょうひょうとした感じ。私が高校生だったら絶対好きになって、ギターを習いにいったと思う。眼鏡萌え。

 

スクリーンショットをとるのが下手なので、いいなーと思たっところをiPhoneで撮ってけっこう画像が溜まりました。

文化祭→バンド旅行って流れがすごくよくて、ロードムービーみたいな雰囲気もあったよなあと思います。しかもキャラごとに行く場所が違うので飽きさせないし、車旅してみたいなーって思いました。路上ライブで日銭を稼ぎながらうなぎ食べたりしたいよね

私はエロゲーっていうと鬱ゲーばかりやっていたので、けっこう新鮮な体験でした。キラキラした毎日、青春!エッチシーン少ないのはやっぱりちょっと寂しかったけど…。

 

千絵姉がサイコーなんで、千絵姉ルートだけでも頼みます。積んでる人も。

ていうか書いてたら興奮してきちゃって千絵姉のエッチシーンもう一回見たんですが

「こういうときにどんなことしたらいいかわからないの、しなきゃいけないことあったらいって…」

 

これですよ!!!!!!!!!こんな可愛いこと言うか普通!!!千絵姉とのセックスには幸せがあるんですよね…これから二人がどんなふうに付き合っていくのかわからないけど(正直三人のなかでも一番別れそうな気がしてるんだけど)、幸せになってほしい。今まで大変だったもんね。

 

というわけで、おすすめのエロゲです。