シキ
大丈夫だよ あなたは大丈夫だよわたしも
大丈夫だよ
産まれてきたときの季節が
身体に灼きついてしまったから
わたしたち 季節を通りすぎることができなくなった
首を焼くような地面と
耳がちぎれそうな風
お互いの季節を足して割ることができたなら
(そんな風に不安も
産まれた場所に戻るときがあれば
それはもう死んだときだからと
その後は好きにしてくれと
笑った
死の季節が通り過ぎた
あとも
産まれた場所はそこに
あるから
墓標の約束をしたい
できればふたつ