「女性作家委員会企画 「日本の性暴力について考える」 第3回 複合的差別の視点から」に参加して

先日行われた日本ペンクラブの女性作家委員会企画「複合的差別の視点から 日本の性暴力について考える」に参加しました。自分用にまとめたいと思います。

 

※このブログは成人向けのゲームを取り上げることもありますし、ドラマやサブカルチャーについても取り上げますので、他の記事を見るときはご注意ください(記事の中に18禁だという記載はしていますが伝わりづらいものもあります)。

 

本文は当日配られた資料からの引用があります(問題があれば削除しますので、コメントかメールをお願いいたします→アドレス:aoishiroiaoi@gmail.com)。

資料と私のメモを照らし合わせながら書いていますので、内容に間違いがありましたらご指摘いただければと思います。

 

初めに登壇されたのはジャーナリストの品川裕香さん。講演のタイトルは「障害と女性と性被害~神経発達症の場合~」。

神経発達症とは、知的障害や発達障害など脳の機能不全による認知の偏りがある特性を指す総称だそうです。私は発達障害ADHDASD混合)と診断されていますので、他人事ではないなと早くも前のめりに。

ADHDASDについてはリタリコのホームページが絵がついていてわかりやすかったので引用させていただきます。以下リンクです。

子どものADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)とは?特徴や年代別の接し方|発達障害のある子供とその保護者の勉強会 | LITALICOライフ

ASD(自閉症スペクトラム障害)とは?診断基準、子どもの年代別の特徴や対応方法 | LITALICOライフ

 

品川さんによると、カナダの研究ではASDのある人は、性的接触被害やレイプを経験する確率が2~3倍高いそうです。

また、ASDのある男性はASDのない男性に比べると被害に遭いやすいそうです。なので性別に関係なく被害に遭いやすいということです。

女性に関しては私の周りの人で被害に遭った人の話も聞きますし、その特性から(人の言葉の意味の裏を読むのが苦手だったり、自己肯定感が低かったり)被害に遭いやすいのも納得でした。ですが、男性ASD者も同じだとは考えていなかったので、新たな発見でした。今回は女性に関するデータが多かったですが、男性の性被害についてももっと周知していかなければと思いましたし、女性・男性ともにどんな時に被害にあいやすいのかを知って、もっと対策を立てられればと思いました。

 

次にフランスの研究で、10人中およそ9人の自閉スペクトラム症ASD)のある女性が性的被害を受けているとの結果が出たそうです。これは衝撃的で、「そんなに?」とショックを受けました。

"女性"という被害に遭いやすい性に、ASDというマイノリティがかけ算されるとこんな結果が出てしまうのですね。

また、DPI女性障害者ネットワークの調査によると、性暴力被害に遭った要因には「言われたことを信じる」、「自己肯定感が低い」、「(女の子なんだから人には親切にしなさいなどの)ジェンダー規範に従わないといけないと信じる」傾向が高いというものが挙げられました。

これには私も覚えがあり、やはり障害によって幼いころから、人よりできなかったり間違えたりする傾向が高いので失敗の回数がまず多くなると思います。

また、過敏な部分もあるので、失敗を実際より大げさにとらえてしまったり、記憶力の良さから失敗したことが何度もフラッシュバックしてしまうことがあります。

そんななか自分の身体を必要として優しくしてくれる人がいたらなかなか断れないというのもよくわかりますし、人にはなるべく親切にという言葉を守ろうとするのもよくわかります。

 

お話の中で強制性交罪が不同意性交罪に改正されるかもという話題もありました(現在、閣議決定済みで国会承認待ちだそうです)。

sp.m.jiji.com

承認されれば、性交同意年齢の引き上げや、処罰が重くなるなどの改定が行われるようです。

 

講演のなかで、性犯罪被害に遭った時にかける電話番号も教えてもらいました。

犯罪被害者等施策ホームページ - 警察庁 / 各都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる全国共通番号「♯8103(ハートさん)」

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター | 内閣府男女共同参画局

 

こちらは講演会の中で紹介があったわけではないのですが、性暴力に関して情報を発信されているTwitterアカウントです。

個人で取り組める対策があると思います(もちろん対策をしなくても安心して生きていける世界が望ましいのですが、現状自衛するしかないと考えています)。

 

品川さんの次には姫野カオルコさんが登壇され、次に桐野夏生さん、そして最後に鼎談と会場からの質問に答える時間がありました。

また、この講演は全3回の3回目だったのですが、前回や前々回に登壇された方が発言される場面もあり、皆さんいきいきと喋っていて、性暴力に関することだけでなく女性の権利だったり、家庭というもののあり方について疑問を投げかける方もいて、「自分だけが迷ったり悩んだりしているわけじゃないんだ」と勇気をもらえました。

姫野さんのワークショップや桐野さんが語られた小説についても言及したかったのですが、今回はここまでとします。

 

講演終了後にはサイン会が行われ、私は以前からファンだった桐野さんにサインしてもらいました。中学時代に読んだ『グロテスク』は、いまでも一番面白い小説だと思っています。

 

昨今、女性同士での連帯やシスターフッドという言葉が取り上げられるのをよく見かけます。私はそれを否定しませんし、応援していますが、最終的には女性のみで連帯するのではなく男性と共に歩んでいかなければいけないと考えています。女性対男性という構造には絶対にしたくないです。

もちろん私たちの権利を侵害する男性とは決別していいと思いますし、フェミニズムに関して理解のない人がいるのも事実です。

ですが、まずは当日会場に来てくれた男性たちを無視してはいけないと思っています。

本来フェミニズムとはあらゆる性差別からの解放を目的とした運動のことです。

女性も男性もそれ以外の性別の人も共に生きやすい社会を目指してこれからも講演会に参加したり、周りの人と情報を共有したりしていきたいです。

当日は、登壇者の方・関係者の方・会場にいた方、ありがとうございました(サイン会の時に話しかけてくださった方がいて嬉しかったです!ありがとうございました!)。

 

※このブログは成人向けのゲームを取り上げることもありますし、ドラマやサブカルチャーについても取り上げますので、他の記事を見るときはご注意ください(記事の中に18禁だという記載はしていますが伝わりづらいものもあります)。