わたしは母に回帰する

地底につながる緒

原風景を養分として

わたしは母に回帰する

 

乾いた足

日に透かされた乳白色に 緑の血管が伸び て

  わたし というものが歩く(はずだった

 

瞬間砂にとらわれて

あなたの

穴、穴、穴、穴、穴、穴、穴、穴、

 

血管は根を張り

指先は乾き

音なく地面に吸われ

母が流れ込んでくる

 

母という地

母という穴

母という

 

目を覚ますと

わたしは母

乾いた光の中で

幼い母を育てている

 

わたしは母に回帰する