物を捨てたいという病

物を捨てたい。特に身につける物。

私のここ数年間は働くことにとらわれていたので、オフィスカジュアルに合わせられる洋服や靴ばかり買っていた。休日はどうせ遊びに行く元気がないからと、いつもあまり好きじゃないものを着ていた。欲しい服や靴があっても、仕事着に合わせられないじゃんと思って買わなかった。

労働が上手くいかなくなったいま、全てを捨てたい衝動に駆られている。ヒールのある靴も履かなくていいし、就活か喪服にしか合わないようなバッグもいらないし、機能性重視の真っ黒な靴も必要ないし、好きでもないのに仕事場に必要だからと買ったものはもういらないのだ。

そうなるといらないものがたくさんあることに気づく。私の買い物は全部失敗だった気がしてくる。本当はそんなことないのに。必要だから買ったのに。

でも、あの時の嫌な思いとか、悲しいこととか、頑張っても結局は上手く働けなかったことがよみがえってきて、それにまつまわるものすべてを捨てたくなる。とはいえ捨てたら困るものもあるし、冬物なんかは寒くなるまで必要か不要かわからない。次の季節が来るまでちょっと待ってみようぜと自分に言い聞かせるが、やっぱり捨てたい。

 

おわり