あなたのことが大すき。

潮の満ち干きのように

すき、とか

きらい、とか

行ったり来たり

 

オールをこぐ手に

がかさなって

そのあいだだけは

おなじ方向をみていられる

目的地についてしまえば

あなたはまた

瞳を泳がせる

 

白いワンピースを翻して

ももが空気に触れる

かかとについた土も

気にせず

その視線だけが

青く

閉じ込められている

 

遠い昔のパーティー

人波のなか

今日が一番良い日だと言った

思い出に恋したあなたは

海色の瞳を

いつまでも手放せないままで

 

 

「いままで出会った人の中で、あなたのことがいちばんすき」

あなたの瞳に映ったわたしを

何度も

なぞるようにして

みつめていた

 

「だいすき」