息を殺さずに

3日前に一番精神が安定している秋などと書きながら昨日の深夜はひどい憂鬱と希死念慮に襲われたのだった。希死念慮という優しい言葉よりはほとんど自殺願望に近いそれは私の体をがちがちに固くし、心を空洞にしてしまった。どれだけ叫んでも何もない。かえってくるのは自分の声だけ。

「こわいの。眠れないの。自分には価値がないと思うの。」

価値や資格がなければ生きていることができないと私は叫ぶ。では他人に対してもそう思っているのかと問われればそんなことはなく、人間というのは生きているだけで価値があるのだと言い、私は自分にだけ適用されるルールを作り続けるのだった。

 

不安の正体はわからない。小さなことが積み重なって不安を呼んでしまうのだから。はっきりとした実像がないのだから対処の仕様がなく、私はベッドの中で息を殺すということもなく、病院で習った腹式呼吸を繰り返し、インターネットにあふれる情報で頭をいっぱいにして不安をどうにかヨソにやろうと試みる。作戦が成功したので、いま私はこれを書いている。