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おおきくなりたくありません

すきなものはたくさんあります。苦手なものはこころのほつれ。

映画、クワイエットルームにようこそ「生きるって重いことよ」

 

 

映画「クワイエットルームにようこそ」を観ました。久しぶりに「これはなんなんだ」と感じました、あまり良くない意味で。

 

 

私は精神や心や精神病棟を描く映画が好きで、最近観たそのタイプの映画が「17歳のカルテ」でした。正直これを観たあとではクワイエットルームは薄すぎる。方向性も違うし。

蒼井優ちゃんだけがただただ頑張ってる映画でした。でも、大竹しのぶはさすがだったし、りょうの看護師さんもはまり役でした。箕輪はるか平岩紙さんも好きでした。

庵野秀明クドカン塚本晋也には、その方面に詳しい方ならクスっとされたのでは。でも、だからこそ内輪感が否めない。主演の内田有紀さんもあまり好きになれなかった。

変にコミカルなんです。たまに笑いがあったかと思うと、精神病患者あるある?も出てきたりして、自分の中で笑いとシリアスのどちらにスポットライトを当てればいいのか全くわからない。

オズの魔法使いと、「死にたくて薬とお酒を飲んだわけじゃない」という言い訳は17歳のカルテ、妙に冷淡な看護師さんはカッコーの巣の上でを意識してると思いました。

なのにどうしてこんなに薄味なのか!全く主人公に感情移入できません。

 

結局、主人公は何一つ成長していないし、自分と向き合っていないと思う。文句ばかり。

17歳のカルテでは(もうこの作品と比べること自体おこがましいんですが、女性たちの精神病院での映画として思いつくのがこれくらいなので…)主人公のスザンナは葛藤、失敗、挫折…いろんなことを経験します。看護師と喧嘩もするし、自分は普通だから早くここから出せ!と攻撃的にもなる。知り合いに「病院から一生出てくるな」というようなことまで言われる。けれど彼女はそれを文章にして、他人や自分を観察し、異常とは何かと考えます。そして無事に退院を果たします。

これは彼女がきちんと自分と向き合ったから。そして他人と関わったから。

でも、クワイエットルームにはそれが無い。他者との関わりの中で、主人公がいかにワガママなのかが浮き彫りになっていくだけでした。精神病やメンタルが弱い人のことを「ワガママ」だと言ってしまうのは好きではありません。けれど、彼女はワガママなまま。精神科に入院しても何も変わっていない。変わる努力も見えない。

元々激しい気質の彼女は、早めにカウンセリングを受けるべきでしょう。病院も変えるべき。不眠だけではない、他にも改善すべき症状があるはず。彼女自身がそれに向き合わなければいけない。子どもを作るとか、男を変えるとか、親が悪いとか、それだけで済ませちゃいけない。幸せになれる(幸せだと思える)可能性があるのだから、見過ごさないでほしい。

映画のラスト、彼女は時折笑顔を見せながら退院していきますが、絶対にまた問題を起こします。あの精神科でなくても、どこかの医療機関に運ばれるか、刑事事件を起こすことになると思います。なぜあんな爽やかな終わりにしたんでしょう。

 

精神病というのはもっともっと根が深いものではないでしょうか。いわゆるテンプレートなキャラクターにもいらっときました。ゴスロリの服を着ていたり、発狂したり…。私は入院したことが無いので精神病棟について「あれはリアリティにかける!」とかそういうことは言えないです(じゃあこの記事を書くなっていう話ですが…)。けれど、精神の問題を抱えている人がみんなわかりやすい格好で、わかりやすく発狂したり笑いっぱなしだったりするわけではないと思うのです。人知れず進行していく病もあるし、いつも元気なあの子だって本当はすごく苦しいのかもしれない。

精神の問題を扱うなら、もっと掘り下げられる部分があったのではないでしょうか。見た目や過激なエピソードだけでは語れない、根深い部分が。

 

普通と違うとか、みんなと足並みそろえて生きていくのは難しい。そういう人に必要なのは「自覚」だと思います。

これは「お前は頭がおかしいんだー!自覚しろー!迷惑かけるなー!」と言っているのではありません。自分と向き合うことによって少し心が軽くなるのでは、と言いたいのです。もちろん自分と向き合うというのはとても難しいし、きついことです。ただ「自分はこういう風に生きていったほうが楽だな」とか「病気はあるけど自分のペースでやっていこう」という心がけは大事なのではないかな、と。

 

「今日はちょっとハイになってるから飲み会行くのはやめておこう」

「今日は少し憂鬱な気分だから、少し運動をしよう」

小さな心がけでいいんです。ずいぶんらくになると思います。時間はかかりますが。

 

お酒で薬を飲み下して、自分を傷つけて…そうやって生きていくほうがらくな時もあります。でも、人生は他人に見せるためのエンターテイメントではありません。自分がらくなように生きていったほうがいいんです。自分の弱さにすがって苦しむのは、自分です。

かなり感情的な文章になってしまいました、ごめんなさい。

 

この映画は蒼井優ちゃんが本当に可愛いので、蒼井優ちゃんが好きな人にはおすすめです。刺すような目と、ガリガリに痩せている彼女が観られます!