自分が泣く意味がわからなくて、抱きしめられたい。

抱きしめられたい。

最近道を歩いているとふとそう思うことが多くなった。

歌詞のわからない陰鬱な音楽を聴いている。心地よい。

抱きしめられたい。

台風が近づいて、まるで重力が狂ってしまったかのように体が重い。

抱きしめられたい。

あなたのそこにある体は私との隔たり。その隔たりによって、何よりも自分を感じたい。

 

寂しくてたまらないのだ。

悲しくて涙が出るのだ。

でも、なにひとつ理由がわからない。理由がわかれば、誰かに向かって、自分に向かって、怒鳴ったり話したりすることもできるだろう。

でも私には悲しむ理由がない。

理由がないのに、どうしてこんな気持ちになるんだろう。

 

抱きしめられたい。これに理由はいらない。

ただ、誰でもってわけじゃない、きっと。

息が苦しい

同年代に比べて、劣っているなと感じる。

顔とか体とか成績とか家柄とかいろいろあるけれど、私は他人とのコミュニケーションが、下手というか、過剰というか、うまく調節できないから。

みんな、毎日あんまり悲しくないのかな、と思う。

死にたいってひんぱんに思わないのかな、それってとってもうらましいなと感じる。

もちろん外では誰にも言わないけれど。

わからない、みんな死にたいのかもしれない。絶望を抱えながら生きているのかもしれない。傷ついた心をひきずりながら、会社や学校に行っているのかもしれない。毎日電車に乗ろうとしても乗れなくて、寝ようと思っても寝られないのかもしれない。

自分だけがかわいそうだと思うな、特別だと思うな。「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」。

 

大丈夫。私はまだやれる。何とか頑張れる。診察の日まであと10日。

ご飯を食べて薬を飲んでいれば大丈夫。たまにはぱーっとお金を使えば良い。大丈夫。上手く歩かなくても、こけてもいいよ。まだこうして文章を書けてるんだから。心配なんて何もないんだよ。