君は、

優しい文章を書く人だな、と思った。彼の書く文章は夢の中にいるような、短編小説を読んでいるような気分になる。きっと繊細で優しくてだからこそ傷つきやすい人なのだろうと想像してみる。彼は距離感で言えば、文通やメール友達になるととても素敵な人だろうなと思う。短い文でやりとりするよりもじっくり考えて時間をかけてやりとりしてみたいが、それは単に私のコミュニケーションの好みかもしれない。

 

今日は私も夢の話を書く。

出てきたのは一人の男性だった。私は高校時代に彼と濃い付き合いをしていた。恋ではない、友人だ。でも自分の半身のような片割れのようなものだと勝手に思っていて、けれど大学に入ってしばらくしてからそれは私が勝手に作り上げたイメージだとわかった。わかった、と書いている今でさえも彼はもしかしたら素晴らしい人間で私がいろんな感情によってそれを見てみぬふりしているのではと考える。けれど、やっぱりもう違うのだ。私は好きになった人を神格化し過ぎる。異性同性年上年下問わず私は好きになった人を神様のようだと思う。ずっとそのまま、仲良くいたいと思う。時間が経てば関係性が変わるということをうまく理解できないし、理解したくない。どうしてこのままいられないのだろうといつも悲しい。

彼は夢の中で私と普段通りにしゃべっていた。でも彼の周りには人がいた。彼女とか、彼を好いている人とか、彼の女友達とか。結局彼の周りに出現した女たちを許せないだけではないか?と思うと悲しい。私はそんなことで半身みたいに思っていた人を見捨てるのか、と思う。でも、彼はそんなこと気にしていない。所詮私はただの女でただの人間で友達の一人。あの日々はなんだったのかと問い詰める気にもならない。車中泊も、深夜のカラオケも、ふたりで食べたご飯も彼が最低だからって全部嘘になるわけじゃない。ただ、私は不誠実な人間を許せない。私を傷つけたことに気づかず、いまもなお女たちを傷つけている彼を私は心底軽蔑する。誰かを傷つけるのはいけないことだ。誰かを悲しませるのはいけないことだ。

私はもう疲れたから、人間関係ごっこからはおさらばするよ。最低だよ君は。