無性に破滅したい夜に君のことばかり考えて父と兄と恋人のぜんぶをこなしてほしい

眠れない。調子がいい時っていうのはたいてい落とし穴の前を歩いているようなときで、私は気づかずに笑いながら、ゆっくりとその地面を踏み抜く。その後のことはもうわからない。真っ暗な場所で、泣いてみたりぼーっとしてみたりする。

君はどこにいるんだろうか。

君って一体どの君なんだろうか。

私はいつでも一発逆転を狙っている気がする。私を愛して、同時に自由と安心をくれる人が現れて、二人で幸福に暮らせることを夢見ている。いつかそんな日が来るんじゃないかと思っている。

無性に破滅したい夜。肉欲に溺れて、今までのことを一晩で台無しにしてしまいたい。

ああ、私はトリップしている。

 

君はどこだ。

最近は君のことばかり考えて夜を過ごしているよ。光熱費とか食費とか気にせず暮らしていけたらいいのにな。心配ないよって笑いかけてくれる人がいたらいいのにな。

お父さんとお兄ちゃんと恋人、ぜんぶほしい。おねがい。

自分には何にもないような気がして悲しくなる。誰かの声が聞きたい。でもそれは誰の声でもないような気もする。究極しにたいんだよ。

何も思いつかない。悲しい想像ばかりふくらむ。ここには最低限のものがあって、私は愛されてるはずなのに、一個が上手くいかないだけで駄々こねて、焦って、もうどうしようもないような気がしてくる。助けてくれって言う人もいないよ。みんな孤独な夜をどう過ごしてるんだ。みんなこんな日をどう過ごしてるんだよ。ねえ。