勝手にコンプレックス

今日は母のおつかいで化粧品売り場に行った。新作のグロスを勧められ、いいなあと思ったが買わず。買っても使うかどうかよくわからないからだ。高かったマニキュアも塗ってないし。

「ナチュラルなメイクをされてるので、グロスをしたら華やかさがアップすると思いますよ」

「インスタグラムしてますか?」

とアドバイスと質問をされる。恐ろしいのは、これらはすべて事実を言っている、もしくは質問をしているのに、私は勝手にコンプレックスを刺激されているということだ。

お前インスタとかやってなさそう、顔地味なのにメイク薄いな、と言われているような気になってくる。恐ろしい。

化粧品売り場は、買ったあと少し強くなれる気がするけど、何も買わないと自分が本当に愚かに思えてくるし、すっぴんや適当な洋服では店に入れない苦しい場所でもある。化粧品売り場に行くと自意識が肥大して、目がぐるぐるまわる。店員さんの真っ黒なまつげや、濃い口紅を見つめていると自分がレベルの低い人間に思えてくる。いや、レベルというか、武装していないような、何も武器を持っていないし、防具も無いような気分だ。

明日、もし力が残っていたらグロスを買おう。おしゃれは遠い。