2016-10-28 薔薇の足跡 物語 王子様になりたがっていた君の使い魔がわり の仔猫はもう小さなままじゃない。温室を抜 け出して駆け回る姿は、猫のように自由で花 のように笑っていた。薔薇の指輪に導かれな くてもどこでもどこまでも行けるって教えて くれたのは、他でもない君自身だった。手を 離そう。さがしているのは僕じゃない。一人 でも歩いて行けるなんてありきたりな台詞は 言わないよ。君はすでに一人じゃない。