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今までの私は弱い男性を好きになることが多かった。機能不全家庭で育った男性だったり、愛された経験が少ない男性だったり。そういう人を好きになって、彼にも好きになってもらって許して受け入れて必要とすることが私の喜びだった。いま思えば本当に暗い欲望だ。いまだってその欲望を捨てきれていない。

私に異変が訪れたのはつい最近。心の深い部分ではずっとわかっていたのかもしれないけど、どうやら私は自分で自分を許してあげたいらしいことに気づいた。つまり男の人にやっていたことはずっと自分がされたいことであったわけだ。なんてことだろう!!

 私には何にもできない、何にも価値がないなんて思っていたけど、私にだってできることはあるし、誰かの話を聞くこともできる。こうやって文章を書いたり、料理を作るとか洗濯をするということだって立派なスキルのひとつじゃないか!そう思い始めてからは誰かのことを無理に愛さなくていいと思った。無理やり誰かについていかなくて良いし、誰にも私自身のことは渡さない。私が好きに描いていい人生。それって素晴らしいことじゃないか?

強い男性を好きになったっていい。弱い私を誰かに見られるのはそこまで悪いことじゃない。もっと気づきたい。私はどこまでいけるのか知りたい。この身ひとつで誰を幸せにできる?どうやったら自分のことを良い気持ちにさせてあげられる?知りたい。

ああ、遠回りして、やっとこの景色が見えたんだね。