それぞれの夏

近所の公園で花火をした。手持ち花火の袋を2袋と、水を入れたバケツとペットボトル。祖母と住んでいた時は仏壇のろうそくを拝借して、火をつけていた。今回は花火から花火へと火をうつして、さながら聖火リレーのようなせわしない楽しみ方をした。途中何度か火が途切れたので、ライターを使った。私はうまく火をつけることができなかった。私はタバコを吸わないし、ライターを使う機会が全く無いから死ぬまでライターを使うのがうまくならないのかなと思うとなんだか不思議な感じがした。

今年の夏、私は一度も空に浮かんだ花火を見なかった。一瞬だけ浮かんだ花火は自分の上に落ちてきそうで少しこわい。

飼っている犬は花火の大きい音におびえる。

それぞれの花火が過ぎ去ったそれぞれの夏。