お兄ちゃんに届いてほしい

お兄ちゃんへ

 

お元気ですか。

私は夏の暑さと、きまぐれな風と雨に惑わされて、少し憂鬱な時があります。

けれど、お兄ちゃんもどこかで頑張っているのだから私も頑張らなくちゃと思えます。

 

最近私はお料理をするようになりました。自分でお料理をすると不思議なもので、なんだかいつもよりも美味しく思えてきます。だから、好き嫌いの多かった私もずいぶんお皿を綺麗にできるようになりました。

それに、田舎から送られてきた野菜や果物、値段の高いものがどれだけ美味しいのかよくわかるのです。

ひきこもるというのは悪いことばかりだと思っていたけれど、家事に没頭できるのでこのことも無駄ではないと思っています。

 

それから、昨日後輩がお泊りに来ました。

後輩はお付き合いしている人とすったもんだ惚れた腫れたがあって、かなり疲弊していました。

帰り際に「でも、彼とのことが無かったらいまお泊りしていないかもしれないですよね。そういう意味では悪いことばかりじゃありませんよね」と言っていました。私はそれを聞いて、後輩の瞳と心は何て素敵に物事を捉えることができるのだろうと感じました。そういう考え方ができるから、彼女はみんなに愛されて、私も彼女のことが好きなのだと思います。

 

なんだか眠くなってきたから、お手紙はこれくらいにします。

そろそろお返事がほしいなあなんて考えるけど、お兄ちゃんは忙しいもんね。このお手紙を見つけてくれていたらいいな。

ではまた。 妹より