美しい心とは
すごく直接的なタイトル…美しい心って…。
主人公は数学大好きっ子。大学生の彼は友達がおらず、論文を全然提出しないので教授に「お前はこのままだと就職先無いぞ」と言われ、女の子を口説くときに「体液を交換しよう」と言ってビンタされるというつらい学生生活を送っています…。話し相手はルームメイトであるチャールズ(すごくいい人)だけ…。
ここまでは「主人公がんばれー!お前にはなんかよくわからんけどたぶん数学の才能があるからがんばれー!」と応援する文系のわたくし。
で、ある日転機が訪れ、無事就職、なぜか超美人な彼女もできます。彼女の名はアリシア。のちに妻となります。
と、ここで問題が発生…映画の本題に入ります。
現実と妄想の区別がつかない彼。現実だと思っていたものが妄想だと知ったとき、心はその事実に耐えられるでしょうか。
当然主人公は耐えられなくて、妻であるアリシアも少しずつ苦しくなっていきます。
途中でいろんなことが妄想だったとわかり、すごく混乱しました。観ている私がこうなのだから、本人の苦しみは相当なものでしょう。
チャールズに続き、アリシアまでもが…という展開も予想しましたが、それは無かった。良かった。
後半は駆け足でしたが、きれいに終わりました。
この映画はネタばれを見ないで鑑賞したほうがいいです絶対に!!これでも相当ぼかして書いてるつもりですので、ネタばれになっていたらごめんなさい…。
病気とか、いろんな<苦しさ>というものは、はかれないものです。誰がどれだけ苦しいとか、悲しみを抱えているというのは誰にもわからないし、それを比べることも寂しいことです。
だから、「統合失調症は他の病気よりつらい!」なんて言えないけれど、それに近いことを思いました。本当に苦しい病気だと思います。理解しようとしてくれる人も少ない。
けれど、歩み寄ってくれる人はいます。
美しい心とは、何かを美しいと思えるあなたの心なのだと思います。
<ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思つた。花の美しさを見つけたのは人間だし、花を愛するのも人間だもの。> 太宰治「女生徒」
( 統合失調症の方の漫画です。読むのは相当に体力がいります。)
では、さようなら。